お知らせ

5. 子ども達といのち

「いのちの感覚が薄れてきている。」そう感じ始めたのは20年近く前になります。そのころよりもさらに簡単に命が失われていきます。通常では考えられないような事件も私達の社会が生み出した事件であって、自分自身と無関係ではないと思います。

自分のいのちも他の人のいのちも大切にできる子ども達を育てていくにはどうしたらよいか・・・これが「森の風」の始まりでした。
「森の風」で生活をしていると溢れるばかりのいのちと出会います。それでも昔に比べれば激減しているのだとは思いますが、都市部に比べるともったいないほどの環境です。

田んぼには何種類ものトンボが飛んでいます。クワガタやカブトムシもいます。水の中には水生昆虫、かに、魚達、タニシ、蛙・・子ども達は自分よりも小さないのちと出会い「捕まえたい!」という衝動が起こるようです。なぜか捕まえたいのです。昔の記憶・・人類の記憶を辿っているのでしょうか。子ども達といると、「狩猟」と「採集」の生活だ!と思います。虫や小魚を追いかけ、花を摘み、木の実を集め・・遊びます。そうしながら、子ども達は何を学んでいるのでしょう。何を獲得しようとしているのでしょうか。

既存の囲まれた園庭の中にいると見えてこない子ども達の必ずする遊びがあります。
水があれば水路を作り、水溜りを作り、水を管理しようとします。火があれば、自分達も火をつけ、育て、火を楽しみます。大地には穴を掘ってみます。水と混ぜて、泥をこね、何かの形にして遊びます。木の枝は何にでもなり・・・隠れ家が出来上がります。生き物は手に取りたいのです。花や木の実はままごとの材料になります。全て人として生きるために必要なことばかりです。

子ども達は遊びながら人間になっていくのです。
多くのいのちと出会い、あるときにはそれを殺し、「死」ということも感じます。
子ども達を取り囲んでいる溢れるばかりのいのちの中で、自分もそのいのちの一部であってその中に共に活かされている存在であることを、知識ではなく、理屈でもなく、自分自身の体で感じたこととして、魂に刻み込まれたこととして獲得していくのではないでしょうか。

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